MESSAGE 5社員の声取組成功の秘訣地域の守り手である建設企業としては、社員の働きやすさは地域のためにも大切だと考えています。設立当初から社員には家族のように接してきましたが、これからも社員に寄り添いながら、社会の変化に合わせた働き方ができる会社でありたいと思います。柔軟な働き方を実践してみてアニバーサリー休暇が社員にきちんと利用してもらえるよう、率先して制度を利用しました。また、入社時(25年前)に生後5か月の子どもを育てており、入社直後に2人目の出産も経験しましたが、産前・産後休業や育児休業も問題なく取得できました。社員に寄り添う姿勢は当時も今も変わらないと思います。VOICE務の繁閑の兼ね合いもありますので、記念日がある月の前後1か月以内であれば利用可能とすることで、記念日を休暇取得のきっかけとしてもらいながらも、記念日によるしばりを緩和し、休暇取得のハードルを下げています。 しかし、アニバーサリー休暇は導入初年度の本人の誕生日での利用が86%と好調なスタートを切った一方、年次有給休暇の取得率は依然低いままでした。 さらに、アニバーサリー休暇を取得した社員のパネルを社内の廊下に掲示し、リボンをつけて、社長自らお祝いの声掛けをしています。休暇取得を称えることで、休みを取ること=善という意識を持ってもらうとともに、他の社員の休暇取得状況を可視化することで、休みやすい雰囲気づくりにつなげる狙いもあります。パネルの下には休暇取得の例を示し、問い合わせ先を記載した文章を掲示し、休暇取得を促しています。 こうした地道な取組により徐々に休みにくい雰囲気が緩和され、アニバーサリー休暇導入の翌年(2019年)から会社全体の有給休暇取得率は毎年上昇しています。2019年には41%だった有給休暇の取得率は、2023年には62%にまでなりました。毎日お疲れ様です!自分の誕生日月に自分のためにお休みを。大切な家族の記念日には、大切に過ごすお休みを。土日の前後に取るのもよし、有給休暇と組み合わせて取るのもよし。せっかくの記念日、ゆっくり休んでください!詳しくは総務部まで。総務部長経営者の方々へのメッセージ宇都宮裕子さん専務執行役員武山利子さん取締役総務部長▲ 女性パトロール隊の作業風景。同社では女性の視点を生かした業務改善に力を入れている。 そこで、アニバーサリー休暇の周知・利用促進に力を入れることで、休みにくさの軽減に取り組んでいくこととなりました。▲ 休暇取得達成者にはリボンを付けて褒賞▲ パネルとあわせて掲示されている文章の概略。 休暇の連続取得を促している。社内に蔓延する休みにくい雰囲気 当社では社員が連続した休みを取り、家族との時間を過ごせるよう、5年前にアニバーサリー休暇を導入しました。年次有給休暇とは別の特別休暇で、本人の誕生日で1日+家族の記念日で1日の最大2日付与しています。家族の記念日については家族に関連した理由であれば結婚記念日、子どもの記念日などで幅広く利用でき、もちろん独身の社員も利用できます。また、業細やかなフォローで休暇取得をサポート まず、社員に制度の内容や利用方法を理解してもらうために、就業規則のアニバーサリー休暇に関する箇所を社員に回覧したり、総務部の社員が率先して休暇制度を利用することで申請から取得までの手本を示しました。また、当時の土木部常務へ制度の説明を行い、常務から社員に利用を促してもらったり、会議や社内報で制度を取り扱ったりと、根気強い周知活動も行いました。 これらの取組は、従業員と役員両方の肩書きをもつ宇都宮取締役総務部長を中心に行われました。彼女は役員と積極的にコミュニケーションを取りながら、総務部長として社員からの相談にも乗っています。そうした風通しのよさがあってこそ社員の意識改革が進んだのだと考えています。具体的な取組内容と導入にあたっての課題解決策とその効果
元のページ ../index.html#5