中小建設業の多様な人材確保・定着のための柔軟な働き方事例集
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MESSAGE社員の声21取組成功の秘訣様々なツールを駆使して属人化していた業務の社内共有の仕組みを整え、コミュニケーションの活性化や若手へのバックアップ体制の構築につなげました。このように「協働」するかたちをつくり、社内・社外問わずに協働関係をうまく作用させることが、そのネットワークに存在するすべての個人の能力の向上とさらなる成長につながるのだと考えています。柔軟な働き方を実践してみて経理業務を担当しつつ、ITツールの導入や独自システム改修に関する意見を積極的に出しています。e-TaxやeLTAX導入の提案を採用していただけたことで、以前は月に一度銀行の方にお越しいただいて納めていた源泉所得税や住民税がオンラインで納付でき、双方の手間が削減されたと感じています。社員の声をすばやく取り入れていただけるので、新たに導入したいツールや社内システムの改善点を日々探すようになりました。今後も生産性の向上に貢献したいです。VOICEを兼ね備えています。IT補助金等の助成金制度もまだ整っていない時代でしたので、当社でゼロからシステムを構築するのに多額の費用発生が見込まれましたが、現場仕事である建設業の高齢化からの人手不足の流れを捉え、若年層の入職促進も視野にシステム導入を決めました。 ところが、当時年配の社員を中心にパソコン操作に不慣れな社員が多く、システム構築や端末貸与など多額の設備投資をしたものの有効な利用がなされない懸念がありました。入も進んでいます。現場では、スマートフォンとタブレット端末で利用できる施工管理アプリは設備専用CADと互換性があるものを導入しています。アプリIDを作業員に無償貸与することで、監督との連携が容易となり作業効率が上がっています。バックオフィスでは、税理士とやりとりするためのチャットツール、毎月の納税をe-TaxやeLTAXを利用するなど、DX化が進んでいます。さらに、社内連絡掲示板をデジタル化したことで、バラバラの現場で仕事をする社員に社内で起こっていることが勤務場所に関わらず伝わるようになり、コミュニケーションの活性化や、帰属意識の高まりにつながっています。 こうした様々な取組により、移動時間の短縮や隙間時間の活用、作業自体の能率向上などの効果があり、事前に申請すれば直行直帰も自由にできるようになりました。また近年では毎年2~4名の新卒社員の入社があり、現在は社員の半数以上が20代となるなど、会社の若返りにも効果が見られました。経営者の方々へのメッセージ藤原和彦さん太田陽菜さん▲社内システムから日報を提出▲現場管理にタブレット端末を使用▲DX化が進む中、若手社員が多数活躍代表取締役総務部社員が使いこなせる社内独自システムの構築及び改善 移動時間の削減や作業能率向上のために、会社のデスクでしかできない業務を減らす必要があると考え、独自の社内システムの導入を検討しました。会社貸与のノートパソコンから社内ネットワークに接続できる専用アプリを取り入れ、日々の業務日誌や作業日報を現場(社外)からでも提出できるようにし、上司が現場に出向かなくても各工事の進捗がリアルタイムで把握できるようにしました。また、各社員の現場別での労務費やガソリン代等の配賦ができ、現場毎の工事原価計算機能システムフォローと改良で全員が使えるシステムが若手と共に成長 まず、社内独自システム構築の最初の段階で、入力画面が紙ベースの様式と見た目が同じになるようシステムを構築し、長年勤めて手書きに慣れた社員の負担感を軽減しました。 また、システム導入前に、講師に来てもらい、社員全員で操作方法を学び、パソコン入力に慣れてもらうところから始めました。 現在では、デジタルネイティブ世代の若手社員の意見を積極的に採用し、システムの改修を繰り返し行うことで、社員と共にシステムも日々成長させていっています。社内独自システムのブラッシュアップが社員の成長と意識改革にもつながり、業務に応じたITツールの導具体的な取組内容と導入にあたっての課題解決策とその効果

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