●代表者名:髙柳 充広(代表取締役社長)●業 種:総合建設業●会 社 名:矢作建設工業株式会社 ●所 在 地:愛知県名古屋市 ●事業内容:土木・建築その他建設工事の設計・施工、不動産開発事業など●従業員数:873名(うち女性86名)●その他女性定着に向けて取り組んでいる内容:「くるみん」「あいち女性輝きカンパニー」の認定取得など22時点▲約2年間の育児休業を経て、今年4月に 復職した社員▲現場で活躍する女性技術者▲くるみん▲名古屋市子育て 支援企業▲名古屋市女性活躍推進企業(2)地域における取り組み事例矢作建設工業(株)は、「出産後の職場復帰のハードルを低くしてほしい」といった社員の声をきっかけに、「育児休業3年」、さらに「育児のための短時間勤務は、子が9歳になるまで取得可能」と法定制度を超えた独自の環境整備を行い、育児との両立を支援した結果、高い育児休業の取得率となっているとのことです。社員の育児と仕事の両立に対する不安を軽減し、出産後に育児を理由にした退職者が出ない等、女性社員の長期安定就業に大いに貢献しているという育児休業制度についてご紹介します。会社概要令和3年12月末*法定以上の制度や短時間勤務を整備し、育児との両立を支援仕事と育児の両立支援として、育児休業期間は、子が3歳になるまで取得可能、育児のための短時間勤務は、子が9歳になるまで取得可能としています。現時点における女性社員の各制度の取得状況は、育児休業で取得率100%であり、多くの職員が法定の1年を超えて取得しています。また短時間勤務は取得率70%を超えており、そのうち法定の期間を超えての取得率(子が満4歳以上で取得している者)は70%です。過去5年間、育児を理由とした女性社員の退職者はいません。*導入のきっかけは社員の声現状の法定を超える育児休業制度は2010年に、短時間勤務制度は2011年に導入しました。社員から「出産後の職場復帰のハードルを低くするために、社内託児所を作ってもらえないか」という声が上がってきたのが、本制度導入のきっかけです。検討を重ねた結果、託児所の導入は、運営やコスト面等から断念しましたが、検討の中で、職場復帰のハードルとして大きかったのが、出産後1年という早期での職場復帰であるということがわかりました。そこで、代替案として導入したのが「育児休業3年」です。「育児休業3年」を制度化する過程で、実際に育児休業を取得している社員にヒアリングをしたところ「育児休業明けの仕事との両立が不安」「小学校低学年時の鍵っ子は心配」という声が多く上がりました。こうした社員の心配を軽減するため、育児のための短時間勤務は9歳まで取得可能としました。*働き方の選択肢を広げ、長期安定就業へ制度は非常に高い取得率で、出産後に育児を理由にした退職者はほとんどいなくなり、女性社員の長期安定就業に大いに貢献しています。社員からは、「育休が3年あることで、個人の状況に合わせて働き方を選択できる」という声もあり、女性社員の働き方の選択肢を広げることにも役立っているようです。子が9歳になるまで短時間勤務を活用した社員からは「子どもと過ごす時間に余裕が持てた」という声があり、短時間勤務を生かして習い事の継続なども実現できたようです。法令以上の期間を設けることで、各々の希望や家庭の事情にあわせて仕事を継続することができ、育児との両立に役立てていると感じます。*誰もが働きやすい環境の実現にむけて今後力を入れていきたいのは、施工管理に従事する女性技術者たちも本制度を活用できるよう、現場におけるフォローアップ体制を整えていくことです。現時点では、施工管理の女性技術者たちは若年層のため、対象者はおりませんが、出産や育児を迎えた時に、本人の希望に叶う働き方やキャリア形成が実現できるよう早い段階から、周囲の理解促進を図り、現場においても安心して働ける環境を整えていく予定です。子育て世代に優しい育児休業制度
元のページ ../index.html#24